minekaede2023’s blog

キンポウゲ科の沼に沈みましょう。

ミズゴケの養殖について

 早いもので,更新ももう4回目です。

 思ったよりも人様にお見せできる花の画像の撮り貯めがなくて愕然としております。はい,今年の冬からはもっと真面目に写真撮ります・・・。

 余談は置いておいて,本日の更新はこちら!

成長点付近のアップです

 これ,皆様なんだか判りますか?洋蘭や食虫植物を栽培される方は,とてもなじみのある植え付け資材だと思います。そうです。これが生きている状態のミズゴケです。越冬に向かってずいぶん枯れた色合いになってきました。夏場だともっと青々してるんですけどね・・・。

今の時期は,なんとも地味ですね。ムラサキミズゴケだと美しく紅葉するのですが・・・。

 さて,昨今の環境保護運動の高まりを受けてニュージーランドやチリの高層湿原から輸入されてきていた乾燥ミズゴケが徐々に高騰してきています。(もっとも,自然界でのミズゴケの成長速度と採取量の差を考えると,どのみち今までのような使い方では早晩資源の枯渇の憂き目に遭っていたと思いますが・・・。)そんなミズゴケですが,酸性で抗菌作用もあり,微量な栄養素も含み,軽く水持ちが良いといったなかなか得がたい園芸資材でもあります。継続的に使うにはどうすれば良いか。それは・・・。

自作すれば良いのです!!!

とまあ,そんなに簡単にいけば良いのですが,さすがに乾燥ミズゴケを自作するほど増やそうとすると手間はともかくそこそこの土地が必要になります。ただし,湿性の山野草や食虫植物を栽培されている方は一考の余地アリです。なぜなら,少なくとも当方の庭では夏場こまめに剪定をしないとモウセンゴケを飲み込むほどに成長するからです。当然生きたミズゴケですので,乾燥ミズゴケのように劣化してくる心配もなしです。マメに手入れできる自信のある方,ミズゴケに飲み込まれにくい大型の湿性植物の基材に使いたい方は生ミズゴケおすすめです。

 では,実際にどうやって育てれば良いのか?当方宅での栽培方法を以下にまとめます。

  • 八百屋などで発泡スチロールのトロ箱を貰うor買う。サイズは大きければ大きいほど栽培は楽になると思います。栽培環境が安定します。
  • 高さの半分ほどの箇所に水抜き穴を空ける。開いていれば個数なんかは関係ありません。ただし,きちんと水が流れ出す程度の大きさで空けて下さい。

  • 抜き穴のちょっと上まで基材を入れる。基材には最初は乾燥ミズゴケを使っていましたが,今は本末転倒なのでピートモス(酸度未調整)鹿沼土パーライトの等量混合を使っています。基材は正直,水浸しにしても急激に腐敗が進まなければ何でも良いと思います。ただ,アルカリ性の資材は避けましょう。

  • 基材をしっかり給水させたら,刻んだ生ミズゴケを播く。若干厚めに播くと,群生後の成育が安定しやすい。

はい,こんな感じです。後は西日だけ避けてでガンガン日に当てて育てます。夏も炎天下に置きっぱなしです。そうすると,春頃仕込んで秋には以下の状態になります。

一夏でぎっしり茂りました。放って置くと中央が盛り上がりすぎて水切れし易くなってくるので,来春リセットです。

あふれた分を,また春にちぎって用意したトロ箱へ・・・のサイクルでかなり増やせます。是非お試しを!

 基材なんか無くても育つさ!という方もいますが,これはあくまでも養殖,栽培する方法です。私の管理下では,少なくとも基材なしよりもアリの方が早く,旺盛に成育しますし,何より美しく茂ります。(元々,植え込み資材用に養殖したわけではなく,純粋にミズゴケが美しいので南関東の酷暑の中栽培できないか工夫したのが最初なので・・・。)

 また,炎天下に置きっぱなし(当方の庭だと,ほどよい日陰がないのです)にする関係でトロ箱を使っていますが,プランターで養殖されている方もいますし,そのあたりは色々栽培環境に合わせて応用してみて下さい。

 ところで,今まで書いてきたのは東日本型の,高層湿原に生えるようなミズゴケの話です。西日本では,湿原だけでなく林内の湧水や法面の染み出しにもミズゴケが生えていますが,あれは同じ方法で育つ物なのでしょうか。当方に知見がないので西日本の方,教えて戴けると幸いです。

 最後に,入手についてですがこれが以外と難関です。道の駅や山野草専門店で販売していることもありますし,フリマサイトでも売られていますが・・・。山取品がどれだけ含まれているかは正直未知数です。こんなご時世ですから,できるだけ信用できる販売元から購入しましょう。

 以上ざっくりですが,ミズゴケの養殖方法についてまとめて見ました。あくまでもこれは当方宅での例ですので,皆様ご自身で工夫をしてもっと効率の良い養殖方法を編み出してみて下さいね!

 それではまた。次はクリスマスローズについて②と題して,植え替えについて触れようかと思います。お楽しみに!