minekaede2023’s blog

キンポウゲ科の沼に沈みましょう。

クリスマスローズについて⑥ 今期開花した花

 ちょっと更新の頻度が開いてしまいました。本当は雪割草全国大会について纏める予定だったのですが,息抜きがてら庭の花について更新しようと思います。

 当方のクリスマスローズは,1990年頃から祖母と母が集めた分と,2000年代に私が集めた分,2010年代後半から私が再度集めた分と原種系の4グループに分かれます。このうち1990年代の花と2000年代の花はかなり整理し,株数を減らしましたが比較的色の良かった株や大株だったものはまだ残してあります。そんな個体からも種子を取って播種していると,流行りではないもののぼちぼちの花形,色が出るものです。また,これまで集めた株を使って,今後は積極的に交配を行っていく予定です。いずれこちらで実生新花もご紹介できればと思っております。

左,中央は形は凡庸なのですが蜜腺が多少肥大しています。右は以前から維持していた個体ですが,萼がくるっと丸まり独特の花型になります。
いずれも当年初開花株です。2000年代に黒,と称して流通していた個体のセルフですが,今だとこの程度小豆色が良いところですね。
いずれも今の流行りとは少し外れますが,色の濁りもなく良い花かと思います。惜しむらくは花にアルカロイド臭があるので,香りのある原種と交配してどうにか出来ればと思っています。
右の花のフラッシュは,実生しても比較的良く受け継がれます。中央,左は花形は平凡ですが,割と色味が良いので交配したときが楽しみです。
緑がかった花や,ゴールド,黒など原種の特徴の強い花を交配で作っていきたい物です。
いずれも交配種のダブルです。特に中央の個体は購入時は普通のダブルだったのですが,肥培したところずいぶん豪華な花になりました。芽の増え,花立ちも良く良い個体です。
左からH.occidentalisH. torquatus,H. croaticusです。H.occidentalisは小輪多花性ですが,芽の数が増えやすく株元が蒸れやすい特徴があります。H. torquatusは個体により花の色や形にバリエーションが多く,交配種の作出において重要な役割を果たした原種です。H. croaticusはH. torquatusなどとともに,黒や緑の花の交配種のもとになりました。
いずれもH. liguricusです。個体によって花の形には多少のバリエーションがあります。花には柑橘類のような爽やかな香りがあり,比較的暑さにも強く交配親としても面白い原種です。今年はH. liguricus同士で交配をしたので,花形や香りで有望な株を選れればと思っています。
左からH .multifidus subsp. istriacusH. dumetorumH. atrorubensです。H .multifidus subsp. istriacusは個体によって香りがある場合があります。この個体は残念ながら,無香なのですが・・・。H. dumetorumは非常に小型の原種で,横山園芸さんのプチドールなど小輪多花性の交配種の元になりました。H. atrorubensも,前述のH. torquatus,H. croaticus同様黒や緑の交配種の元になりました。これらの原種は,暑さにあまり強くないこともあり厚手の断熱鉢に植えて育てると,山野草的な趣もあり見栄えがします。残念ながら当方の庭にはそんなしゃれた物はないので,もっぱらスリット鉢で管理しています。

 今年は暖冬のせいで開花が揃わなかった上に,開花が始まったと思えばずっと雨続きだったため,思うように交配が進みませんでしたがどうにか原種のセルフや,同種間交配は出来ました。数年後には,手持ちの原種の個体が増え原種系交配が作りやすくなるものと楽しみにしています。
 さらに,今年は神代植物公園やサンシャイン,立川などで新しく原種の苗も入手してきました。これらの苗も,遅くとも再来年の春には花が期待できますので順次交配親に投入できればと思っています。

 次回は雪割草全国大会についてご紹介できればと思います。それではまた!