minekaede2023’s blog

キンポウゲ科の沼に沈みましょう。

クリスマスローズについて③ 神代植物公園のクリスマスローズ展へ行ってきました


 間髪入れずに更新です。

 2月6日から12日まで開催されている,神代植物公園クリスマスローズ展へ行ってきました。開催から3日目,平日とはいえ並ぶかと覚悟していましたが,九時十五′時点で正門は誰もおらず,一番乗りでした。

神代植物公園。思えば幼少期以来なので,約25年ぶりの来園でした。

 会場は,正面左手の植物会館展示室です。会館の前に,数点鉢植えが展示してありました。

左からバイカオウレン,セツブンソウ,フキタンポポです。いずれも早春の花ですね。

いずれも早春に咲く花ですね。フキタンポポは,ヨーロッパ原産のキク科の植物でフキのような葉に,タンポポのような花が咲くことから命名されました(なんと安直な・・・)。意外と夏場暑がること,観賞のために小型の鉢に植えることが多いのですが,本来根量が多い植物であるためそもそも小型の鉢での栽培に無理があることに二点から,流通量の割に定着しない植物です。春らしい色で,花の少ない時期に開花するのでなんとももったいない話です。

 さて,それでは展示物の写真を以下に貼ります。

H.thibetanusH.×hybridusの交配です。淡い色味と,萼片の質感がチベタヌスっぽいですね。こういった交配は,チベタヌスよりも育てやすいことが多いので今後の普及に期待です。
ゴールド系の交配種。最近はオーレアというそうです。かつてはゴールド系というと,濁りのない黄色のイメージでしたが近年では様々な色にゴールド系の形質を持たせることに成功した模様。
名札をきちんと見れていないのが悔やまれる。原種系のダブル。かつてメリクロン苗が流通した,パーティードレスシリーズを彷彿とさせる花形。ところで,またパーティードレスをメリクロンで再販しませんかね・・・?
これも原種系の血が濃い個体だが,色も花形も見事。加えてこのサイズでこの花の量,作り込みも素晴らしい。
H.×hybridusその①。私が始めた頃はダブル自体高嶺の花だったが,今日では様々なバリエーションが生まれている。
H.×hybridusその② 色,形とも様々なバリエーションがある。左は花が横や上を向くので露地でも目立つ。真ん中と右は多花弁咲きと呼ばれる,萼片の数が非常に多い咲き方。残念ながら種子は出来にくいとのことだが,作が落ちて,弁数が減ると正常に結実する場合がある模様。
H.×hybridusその③ ゴールド系やピコティ,黒やグレー系など,多様な花色が楽しめる。
H.×hybridusその④ 左はアネモネ咲き。右がグリーンのダブル。アネモネ咲きは,蜜腺が花弁化したもので独特な花形になる。ただ,雄蕊が散る頃には蜜腺も脱落するので,他の咲き方に比べ観賞期間は短いのが残念なところ。
H. thibetanusの色々。「チベットの」というが,どちらかというと四川省甘粛省青海省などのチベット高原の東側の山岳に分布する。産地によって耐寒性や花の色にバリエーションがあるが,中国政府の輸出規制により入手が難しくなった。現在は,ナーセリーによって実生生産が始まっている。産地別の系統が輸入しにくくなったのは残念だが,生産によらない山からの資源収奪に待ったがかかったのは喜ばしい。

 

H. niger(左)とH. croaticus(右)。このあたりの原種はやや暑がるため,山野草として扱うと育てやすい。

 

左は今回の受賞花。中央,左は人気投票一位の花。柔らかい花の色,形,花立ちの良さ。今回一番の衝撃を受けたのはこの株。

 会館の展示室はさほど広くはありませんが,展示品は一見の価値があります。また,日本クリスマスローズ協会の会員の方も詰めているので,栽培方法などを質問してみるのも良いかもしれません。
 同会場では即売会も行われております。近年流通の減っている野生種のクリスマスローズや,横山園芸のプチドール,今風の交配種などが出品されています!また,神代植物公園売店でも,この企画展に合わせてクリスマスローズ特集を行っています。併せてこちらもチェックされると良いでしょう(支払いは現金のみとの事でした。注意!)。即売会では,書籍なども取り扱いがありますのでそちらもお忘れ無く!

 さて,次回はおそらく種まきの最終回になるかと思いますので,また少々お時間戴ければと思います。それではまた次回!